2023年06月22日 畠中の日記 一覧に戻る
マネージャーなんかいらない組織

この業界は、エリアマネージャーなんて肩書きをよく聞きます。でも、たいして仕事ができるとは思えません。というか、思えない人の方が多いとさえ感じます。たまたま、私が出会ってきた学習塾の業界でそう呼ばれた人たちに、すごいなって思える人は本当にごくごく僅かしかいなかったからです。

たいていが、営業成績が良い人がその立場に立つことが多いわけですが、それ自体、腑に落ちることではありますが、その人の人間性までは考慮されにくい。それも考慮されるようになると、成り手はいなくなる。ただでさえ人材不足なのに、さらに組織は成り立たなくなります。

課長とか、部長とか、修和塾にはいません。マネージャーなんてものも置いていません。上司は、いちおうこの人だよって言ってありますが、肩書きなんてありません。私の肩書き「社長」のみであり、役員が一名いるだけで、残り全員肩書きなし。上下関係も特になし。でも、どの会社よりも思いやりを持って接し、わりとなんでもモノが言える雰囲気を作っています。

だれかをマネージャーなんてものにしてしまうと、この国ではそのような立場は「偉い人」ってイメージがあるので、なった人はふんぞりかえっていまうし、その周りにいる人たちはその立場の人の顔色をうかがうようになってしまう。それが気に入らないんですよね。でも、そんな立場も作らないと、人は育たないこともわからなくもないし。

そのような葛藤の末、運営会議ってものをつくり、そのメンバーを指名し、彼らに会社の運営の舵取りを任せることにしました。幹部でもない。マネージャーでもない。あくまで会議のメンバーです。その会議のメンバーは、もうこの2〜3年で、何回か入れ替えました。うまくいかなければ、その人を外し、新しい人を入れる。それでも機能しなければ、運営会議をやめたりもしました。

そんな中で、社員のみんなは、自分に今、何を求められているのかを考えてくれるようになり、それに気づき、変化した人から、運営会議に参画して私の決めたことを実行に移す段取りを決めてくれています。彼らは上司ではないから、そのほかの社員への伝達をし、うまくいっているか確認もし、うまくいっていないところを見つけては手伝い、一緒に成果をあげていく。

このような組織を作って、私は、この仕事から少しずつ身を引いていこうとしています。若い人たち、私ではない人たちが、自分たちで話し合って決断していける会社にしたいんですよね。私は、それをふむふむと聞きながら、いっしょに決めて応援していける存在になりたいなと思っています。