vol.21 一生懸命やっていると、必ず人が集まってくる
人が感動する試合、それは誰でもできます
「先生のとこの子どもたち、変わりましたね」
試合後、大会本部で他の中学校の顧問の先生方から、そう言われました。
「見ていて、気持ちいいですね」
「一生懸命ですね、雰囲気がいい」
「なんだか教えたくなって、ちょっと差し出がましいと思いましたが、キャッチャーの子にいくつか教えちゃいました」
そう言ってもらえてうれしいです。
僕が大事にしていることは心。試合を見ていて感動してもらえるような、楽しんでもらえるような、心にグッとくる試合ができたなら、それでいい。中学生ですからね、試合の勝ち負けを本気で追いかけることを通して、心に残る思い出と、周りが影響されるような人間性を育んでいきたいんです。
一生懸命野球をやってる子どもを見て、親も周りも応援したくなる。家族も地域も巻き込んで野球に打ち込んだ中学生活にしてあげたいんです。そしたら、野球がとっても好きになる。好きになったら、もっとうまくなりたい!って思う。高校へ行って、大学へ行ってもずっと野球を楽しめるヤツになってほしいな。
京都の中学校は、ある意味放任、悪く言えば、指導が行き届いていないと言えます。だから、子どもたちは全力疾走は怠るし、声も出し続けられないし、タラタラ野球をやっています。坊主でなければ、挨拶もそこそこ。だからこそ、大声出して全力疾走してよく動いて、心を込めた挨拶の声もでかく、一生懸命プレーした坊主集団のこいつらは、そこにいた人たちの心に残ったと思います。
春の大会後、周りに変化が生まれ始めました。
子どもたちの家族に、この地域の他の中学校に、ウチの学校の他の先生方に、そして何よりも、野球部のこの子たち自身に。
これこそが、僕にとってのやりがいです。