2017年04月15日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vol.9 指導者が変わると雰囲気は変わる

プレイボール!最初は良い感じなんですよ、最初は。

春季大会1回戦。試合前からものすごく集中していました。
子どもたちはよく声が出ています。動きもよく、安心して見ていられました。それよりも、この地方の中学校の実力を初めて知る場でもあったので、どんな雰囲気なのか、大会がどのような感じなのかを感じ取っていました。

なんと、相手はロンゲ。坊主じゃないんです。ウチのチームは、全員坊主になりました。あたりまえのことだと思っていましたが、他の中学校の先生方から「よく髪を切らせたね」と感心されます。周りを見渡してみると、その他の学校の生徒にも、坊主がいない。野球って坊主だろ!(笑)
でもね、甲子園球児も坊主じゃなきゃいけない理由がないってことで坊主にはしない子が増えている。別に坊主にしたほうがいいとかしないほうがいいとか、どうでもいいんです。子どもたちが自分たちでそうしたんだから、それがやる気の証拠。

試合直前、オーダーを発表して一人一人を見ると、いい顔をしています。
毎試合、初回から緊張して点を取られることが多いようなので、初回にすべてを賭けよう!とゲキを飛ばし、さあ整列。

初回の守り。すばらしく声が出ており、一球一球に集中していたおかげで、三者凡退にして戻って来ました。僕もみんなも大喜びです。最高に快調な滑り出し。

「すげー。俺たちすげーよ!」と、子どもたちが口々に言う裏側に、自分たちが変わったんだと実感している様子を感じ取りました。
この子たち、本当に弱かったみたいですね。(笑)そして、とっても嬉しそうでした。

まずはこちらのペース。
この試合、のちに、1回戦ながら今大会で最もおもしろかった試合として評価されることになるのです。