2017年07月30日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vol.32 部活動は技術習得の場ではなく、人間教育の場

部活動は、社会の縮図。部活動からの学びは計り知れません。

チームは一変していました。
いじめに関して私が叱り飛ばし、3年生だけでミーティングをさせた後の練習試合。
気持ちが伝わってくるゲームを久しぶりに見ることができ、うれしかったです。
試合中よく声が出ていたことはもちろん、お互いがお互いをカバーする野球に変化していました。

いじめについて私は叱り飛ばした後、自分たちでもったミーティングは、何が話し合われたか、私たち顧問は知りません。
彼らの善意、彼らの素直な気持ちを信じ「自分たちでどうしていくのか決めなさい」と言って退出したのです。
部活は顧問のものでもなく、彼ら自身のものですからね。

ついに芽生えた当事者意識が、彼らの中に大きな変化を創り出したようです。
こうなるといよいよ、強くなっていきます。

私が部活を通して伝えたいことは、道徳です。
道徳とは、子どもたちが社会で生きていくために必要な考え方。
それは思いやりとか親切とかももちろんそうですが、仕事とは結果がすべてであるということも含めて、私の道徳は、生き抜く力をつける授業。
それは、いろいろなことが起きる部活動でできるんです。

仕事の縮図が部活動にあります。
人生の縮図もあれば、人との付き合いもまたその縮図が部活動にあります。
サッカーやテニスに興じるということじゃなく、その技術を磨くことじゃなく、それは高校や大学でやりたい人がやればいい。
中学生のうち、義務教育のうちは、全国大会へ行くぞ!という目標や結果に対して真剣に取り組むことを通して、チームプレーであれば、人と人とが真剣にかかわり合うことを学び、結果のために生きるとはどのようなことをするのかを知り、自分自身の限界にまで挑戦して胆力をつける。

人間教育なんです。

ちょうど最近、メールがきて、数年前の教え子からの「あのときのまま、やってくださいね」の言葉が、自分のやってきたことの影響を、それがどのように子どもたちに残っているのかを知ることができます。

これからも頑張っていきます。
ひとまずこの物語は、これにておしまい。