2017年06月30日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vol.26 中学生は「友達」の意味を学ぶとき

あなたは「友達」をどのように捉えていますか?

3年生が修学旅行に出発した日、1年生は飯盒炊さんのため、遠足に出かけました。僕は1年生担当なので遠足に同行します。

その前日のこと。

子どもたちは買い出しに出かけ、先生たちは近くのスーパーに見回りに行きます。学校の学習の一環なので、買い食いは御法度。お遊びではありません。
しかし、子どもたちは一旦家に帰り、私服に着替え、友達と一緒にお金を持ってスーパーへ行きます。買い食いしたくなるのも仕方ありません。それを見つけてしまったときは、それは指導しなければならないのがセンセーです。

しばらく見回っていると、当然、見つけてしまいました。仕方がないので、叱りに行きます。

「おい、今は食べちゃいかんのは、わかってるだろう?」

すると、こんな返答が返ってきました。

「え、だって、〜〜が食べていいって言ってたし」

なんと、一緒に隣で買い食いしていた、友達のせいにするではありません。一緒に悪さしていた友達なのに。そして、言われた友達も、また別の友達のせいにして。

全員店から連れ出します。

「一緒に買い食いしてながら、自分が怒られたら一緒に食べてるヤツのせいにするってのは、どーゆーことだ?それがおまえらの言う友達か?」

買い食いして見つかったら、正面から「ごめんなさい」で済むことだろうに、自分の立場が悪くなると、カンタンに態度を変えてしまう、一緒にいた友達のせいにもできてしまうとは。僕らの中学生の頃は、自分が見つかっても友達をかばって、一緒になってセンセーに殴られるという不思議な絆というものがありました。

自分の立場が悪くなると、カンタンに態度を変える子どもたちに、友達としてつき合っていくことが、どういうことか。友達ごっこではなく、心からの友達を持てたって胸を張れる中学校生活にするために、どのようにしていこうかと、考える1日でした。