2017年06月10日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vol.22 強くなるために、続けるために

短い時間で、効率良く成長する工夫をするのが、指導者の役目

春の大会が終わり、野球部は、もう一人の顧問の先生と監督を交代しました。
彼は23歳の若者ですが、野球の知識と経験はピカ一です。それだけ選手としての抜群の技術を持っていた人ですが、若いので、指導者としては経験が足りません。彼を、指導者として勝てるようにすることもまた、おもしろいと感じます。育てる人を育てることにチャレンジです。

「今日からは、チームを二つのチームに分ける。Aチームは、3年生中心。Bチームは、1、2年生中心。それぞれ分かれて練習し、土日もそれぞれ別行動をして試合や練習をする」

要は、野球部を2つに分け、土日はその両方とも練習試合をすることにしたのです。1、2年生はこの時期、3年生中心の練習のために、思う存分ボールに触ることができず、特に1年生は、入ったばかりの頃なんてもっぱらグラウンドを走ることばかりだと思うんです。このスタイルに変えることで、1年生からもすぐに試合経験を積むこともでき、試合で勝つための勉強をすることができます。

1、2年生も、体力ばかりつけるんじゃなくて野球をしたいでしょうから、技術もつけて試合慣れして、彼らが3年生になる頃には、さらにハイレベルな技術を教えてやりたいと思います。昔、愛知県で野球部顧問をしたときに、やってみたかったことでした。3年生や2年生の一部上手な子は、もう一人の先生に任せ、僕は、1年生と2年生を見ることになりました。

2人も顧問がいるんですからね。短い時間で、狭いグラウンドでいかに強くするか、そのための工夫が楽しい。