2017年04月10日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vol.8 背番号のように、評価は数字で

初戦前夜

さて、いよいよ春の大会を翌日に迎えた日。背番号を渡します。背番号は、野球人にとっては特別なもの。
私は、子どもたち一人ひとりに対するこれまでの評価や期待や想いを、渡す番号に込めています。

しかしこの学校では、部員全員に背番号を渡すのが慣例だったみたい。驚きました。これまでの練習を見ていて、とても全員に背番号を渡すことはできませんでした。2年生は、練習以前に生活態度がいい加減だったり、練習の後片付けも満足にできず、意識改革中だったので、3年生全員と2年生一人だけ渡しました。

「背番号には、みんなに対する評価と想いが込めているから。今のおまえたちに対して、俺はそう思っているよってこと。どういうメッセージかは、自分で感じ取りなさい。今まで全員もらえたかもしれないが、俺は全員には渡さない。背番号ってそんなもんじゃないよ。背番号が欲しけりゃ、試合に出たけりゃ、必死で練習して成長しなさい。」

「俺が顧問になってからの2週間。最低限やっておきたい練習はすべてやった。2週間ではこれ以上できない。だから自信を持って試合に臨もう!何よりもまず明日の初戦だ。初戦を取らなければ何もない。何が何でも、どんな手段を使ってでも初戦を勝つぞ。いいな!」

気合いを入れて練習はおわり。技術的な練習はほとんどできないまま、精神面だけで勝てるかな。
うまくいかないかもしれないけれど、何が起きても絶対に仲間を責めないことや、どうであっても変わらず自分たちの元気な野球をできるかだけ。
それが私の指導力の結果となって私に返ってきます。