2017年04月05日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vol.7 本気かどうか確かめる

本気である姿勢を示すには、姿勢で示す

1年生が体験入部してきました。1年生を集めてこう言います。

「グラウンド10周しといで」

しばらくして気づくと、10周走り終えた1年生たちが、顔を真っ赤にしながら待っているではありませんか。比較的体力があるんだなと思い、「んじゃ、さらに10周いっといで」と言います。

かわいそうに・・・、さすがにクタクタになっていました。それでも1年生は頑張りますから、なんとか走りきっていたようです。20周走り終え、泣いている子もいれば立てない子もいました。そんな1年生にむかって、ひとこと。

「俺ね、中途半端に野球をやろうと思う人に入部してほしくないからな。真剣に、うまくなりたいとか優勝したいとか、厳しい練習でもやりたいと思うなら、ぜひ入部してちょうだい」

翌日の体験入部には、その3分の1が来ませんでした。

口でどんなに、真剣にやれとか一生懸命やれとか言っても、やってみたりやらせてみることに勝る伝え方はありません。本気でやってほしいなら、本気でやらざるを得ないような状況を作ったらいいんです。

結局、15人いた体験入部のうち正式に野球部員になったのは10人。育て甲斐があります。