2017年03月20日 小さな野球部の物語 一覧に戻る
vo.4 まずは、謙虚になること

中学生が育つタイミングは、我慢のしどころで我慢ができるか

1週間経っても、キャッチボールとバントと走塁の練習だけ。それだけを徹底的にやっています。「バッティングの練習はしなくていいんですか?」などと聞いてきますが、「いらん」と一蹴。いろいろと技術を増やすのではなく、確実にできる!と計算できるものを一つずつ増やしていくことが大事です。子どもたちは、バッティングの練習がしたいだけですから。

確実にできると計算できることをやると言っても、それが試合でできなくては意味がない。試合で確実に結果を出すために、何度も何度もやり直しをさせる。この練習が子どもは苦手なんです。なかなかできるようにならない苛立ちが、子どもにとってはイヤなんです。そして、派手なバッティング練習をやりたくなる。しかし、ここを我慢して練習し続けられるかどうかなんですよね。

だからこそ指導者は、イライラする子や、飽きたり気を抜く子を見つけるたびに、怒ったり励ましたり、そばにいって教えたりします。大変な仕事です。子育てにも似ていると思います。
それも、子どもによって、かかわりを変えなくてはならず、いち早く子どもの特徴を見抜かなければ、的外れな指導をしてしまいますから、最初のうちは気を遣いました。
それでも、少しでもできていれば褒めていくことで、子どもは「これでいいんだ」と自信をつけますから、彼らの中に、だんだん上手になっている実感がわいてきます。

1週間で、野球に取り組む姿勢が変わりました。
謙虚に耳を傾けるようになりました。やってみろと言うことをやってみるようになりました。こうなると今度は、指導者に責任がズシリと乗っかります。なんせ、その練習をさせているのは、僕ですからね。全責任は僕にあります。

まもなく迫る練習試合では、この1週間の練習が的外れだったのか、それとも良かったのかが明らかになります。楽しみで練習試合当日を迎えました。